香りの散歩道


天に光の花を咲かせて

墨絵・朝野泰昌
「朝野家 香りの散歩道」
この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りします。

今日のお相手は、私、木村匡也です。

徳川の八代将軍、吉宗(よしむね)が世を治めていた時代のこと。
1733年の今日5月28日に、隅田川の両国橋あたりで、水の神様の祭り、水神祭(すいじんさい)が催されました。

当時、江戸のまちでは多くの人が飢饉や疫病の犠牲になり、その御霊(みたま)を慰めて厄払いをしようと、花火が盛大に打ち上げられたのです。
この時、花火師の鍵屋弥兵衛(かぎや・やへい)が上げた花火の数は、20発ぐらいだったとか。
火薬の匂いと、響き渡る大きな音。
テンションが上がった江戸っ子たちは、拍手喝采で夜空を見上げたのでしょうね。

天に光の花を咲かせて、祈りを捧げる。
これが、今日(こんにち)まで続く花火大会の始まりだと言われています。

さらに、花火の歴史をさかのぼると、「狼煙(のろし)」がルーツだという説も。
山の上などで火を焚き、たちのぼる煙を使って、遠く離れた人に情報を伝える方法です。
それが、火薬の発明などによって、たくさんの人が見て楽しむものになったのです。

いつしか、日本の夏の風物詩になった花火。
慰霊と厄払いの祈りをこめて、江戸で打ち上げられた日のことにも、思いを馳せてみませんか。


「朝野家香りの散歩道」この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りしました。

*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。

5月分は現在放送中に付き、もう少々お待ちください。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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